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170412声明「地域包括ケアシステム強化推進法」について
地域包括ケアシステム強化法案
衆議院厚生労働委員会での可決強行への抗議
衆議院厚生労働委員会で審議されていた、介護保険法の見直し案を含む「地域包括ケアシステム強化法案」は、本日の質疑が終了する間際に、採決への緊急動議が提出され、採決が強行されました。そして、与党[自民党・公明党]ならびに維新の会の賛成多数で可決しました。
本日の厚生労働委員会の審議冒頭で、野党が安倍総理に対して森友学園問題をとりあげたのに対して、与党は「与野党の信頼関係が崩れた」とし、審議途中の法案を一方的に打ち切り、強行採決が行なわれました。本法案の審議を短時間で打ち切りたかった与党にとって、「与野党の信頼云々」は口実であり、与党多数を笠に着ての横暴以外の何ものでもありません。
そもそも本法案は、当事者不在の官僚主導でつくられた法案であり、さらに31本もの法律を一括りにしているとともに、政令事項が204、省令事項が574にも上り、詳しい内容はほとんどわからないままです。それだけに、十分な審議を通じて法案の正体を国民に知らせることが求められていました。
また、これまでの審議の中で、介護保険の3割負担が提案されている一方で、2割負担導入による政府の影響調査をまともに行なっていないことが明らかとなりました。加えて、法案の中核部分の「地域包括ケアシステム」なるものの実体も明らかになっていません。
さらには、障害分野にとっての大きな関心事である「我が事・丸ごと」政策に至っては、ほとんど審議されていません。また、相継ぐ介護殺人・無理心中事件への大臣や官僚の答弁も曖昧なままです。
国民生活の全般に、そして障害者施策を含む社会福祉施策の基本に関わる本法案が、わずか22時間余という短い審議時間で、それも審議途中で打ち切って採決というのは、あまりの国民軽視であり承服できません。
ここに、きょうされんは、今回の事態に強く抗議するとともに、強行採決という不正常な経過からみて、本法案を衆議院厚生労働委員会に差し戻して慎重な審議を重ねることを強く求めます。なお、法案が原案のままで基本的な修正がないとすれば、わたしたちは廃案を求めることを表明します。
2017年4月12日
きょうされん常任理事会